✔︎本記事の読者
- 過干渉って何?
- うちの親って、もしかして過干渉なの?
- 私って、子供に過干渉しているのかな?
- 過干渉してると何か悪いことでもあるの?
こういった疑問に答えます。
過干渉とは一体何なのか?知りたい方もいれば、
自分の親が過干渉なのではないか、と気になる方もいると思います。
もしかしたら、子供に過干渉をしてしまっているかもしれないと、不安に思っている方もいるかもしれません。
子育てには問題がつきものです。
子育て問題でよく耳にするものとして、虐待があります。
虐待とは、暴力や暴言などを用いて子供を傷つけ、正常な発達の障害になる行為を指します。
あまり知られてはいませんが、「過干渉」も虐待の一種です。
一般的に「毒親(毒になる親)」の大半は、この「過干渉」であるといえます。
虐待やネグレクトなどと違い、問題が顕在化しにくく、「いつのまにか子供を追い詰めてしまっていた。」という場合がほとんどです。
「過干渉」とは一体どういったもので、子供にどのような影響を与えてしまうのでしょうか。
✔︎本記事の内容
- 過干渉って一体何なのか?※意味だけ知りたい方はこちら
- 過干渉は虐待の入り口
- 過干渉は親の「依存」が原因です
- 親が依存すると子供も依存します。
- まとめ
- 関連記事
✔︎著者の経験
過干渉の依存から脱して、自分のために人生を生きることができるようになった私が、「過干渉」について解説していきます。
※用語の意味だけ知りたい方は第1章の【過干渉とは一体何なのか?】をご覧ください。
過干渉って一体何なのか?※意味だけ知りたい方はこちら
過干渉とは、主体的な人間であるはずの子供を否定し、親が一方的に価値観を植え付け、思い通りの人間にしようとする行為のことを言います。
簡単に説明すると、親が子供を理想の人間にするために、操り人形、もしくはロボットにしようとするということです。
育成ゲームにとても似ています。
捕獲したモンスターを戦わせて、レベルアップをさせたり、技を覚えさせたりします。
所有する側に全ての権限があり、時には進化を止めることも、技を忘れさせることもできます。
過干渉は、自分の理想のモンスターへと育てていくような、育成ゲームにとても似ています。
親なら誰しも「こんな大人になって欲しい」という願望があると思います。※ネグレクトなど、一部を除きます
- 「大きくなったらこうなって欲しい」
- 「私と同じ〇〇をやってほしい」
- 「〇〇やらせたいなぁ」
- 「子供には失敗させたくない」
- 「子供には嫌な思いをさせたくない」
このような願望を抱くと思います。
ただ、「こうなってほしい」という願望の強さが「過干渉」の入り口であることを忘れないでほしいと思います。
ここまで読んだ方の中には、もしかしたら「子供に願望を抱くことの何が悪いんだよ。」と思う方もいるかもしれません。
もちろん、ネグレクト(育児放棄)と比べて、子供に強い関心があることは、とても素晴らしいことです。
しかし、その強い関心が関与に変わると、子供は主体性を失うので注意してください。
これは大人になった時に、最も必要な「スキル」とも言えます。
主体性がないということは、人の指示がないと動けないということです。
一生、命令や指示で動くロボットになり、搾取の多い資本主義では、良いカモにされてしまいます。
強い関心を持つのは良いことですが、その関心を抑えられず、子供に関与しすぎるのはやめておきましょう。
子供を育てるというのは、あくまで子供のやりたいことをサポートすることであり、子供が大きな失敗をしないように見守ることです。
繰り返しになりますが、過干渉とは、親が子供を理想の大人にするために操作することを言います。
過干渉は虐待の入り口
過干渉が行き過ぎると、親が子供に暴言を吐いたり、暴力を振るったりして、子供の心身を傷つけてしまいます。
なんでかというと、恐怖を植え付けた方が手っ取り早く、子供が言うことを聞いてくれるからです。
過干渉の親には、それぞれ理想の大人の像があります。親は、子供をその理想の大人の像に合わせることだけに力を注ぎます。
それは
- 「お金持ちになってほしい」
- 「一流企業に就職してほしい」
- 「良い大学に行ってほしい」
- 「良い成績を取ってほしい」
- 「トップアスリートになってほしい」
- 「プロ野球選手になってほしい」
など、親によって理想の大人の像は異なります。
理想の大人の像は、親が過去に経験したことを踏まえて、作り上げられたものです。
自分が叶えられなかった夢や、自分が憧れている人、もしくは幸せになれなかった自分のようにはなってほしくないという損失回避的な願望かもしれません。
過干渉する親は、自分の理想とする像と反対に進む子供に、恐怖を与えたり、行動を制限したりします。
理想の像に反すれば反するほど、干渉する度合いが強くなり、暴言や暴力にまで発展します。
- 子供が理想の方向に進めば優しくする
- 子供が理想の方向に反すれば恐怖を与える
これを繰り返すうちに、子供は「親の言う通りにすることが自分の幸せなんだ」と思い込むようになります。
私自身も、父親の思い通りに動くロボットと化していました。
父親は、強く干渉してきては、上手くいかない私に苛立ちを隠しきれず、毎日のように暴言や暴力を振るってきました。
私の行動の軸は全て
- 「怒られたくないから親の言う通りにする」
- 「親の機嫌が良くなるから親の言う通りにする」
でした。
このように、恐怖を植え付けることで、最も簡単に子供を「言いなりロボット」にすることができてしまいます。
過干渉は親の「依存」が原因です
親が子供に依存していると過干渉する可能性が高いです。
子供に自分の願望を植え付けることこそ、子供に依存している行為だといえます。
「依存」は「自立」の対義語であり、自分以外の誰かを信頼し、頼ることをいいます。
正論を言ってしまえば、願望は自分で達成すれば良いだけのことです。達成できなければ、すみやかに諦めれば良いはなしです。
子供を使って、達成させようとする行為は傲慢であることここに極まれり、と言えるでしょう。
「子供のやりたいことをやらせる」
これは非常に難易度の高いことです。
子供のやりたいことをやらせるためには、親自身が精神的に自立していなければいけないからです。
恐らく、本当にできている人は、かなり少ないと思います。
私自身も、確実にできているとは言えません。
しかし、教育(マネジメント)の本質を知っているかどうかで、取るべき行動は全く違います。
「やりたいことなんかやらせてたら、子供が失敗するだろうが。」と思う方もいるかもしれません。
その通りです。
それこそ「やりたいことをやらせる」ことの難易度が高い理由になります。
- 絶対にうまくいかない
- 絶対に失敗する
と、分かっていてもやらせてみることが大切なのです。
ここで、一つだけ間違えてほしくないことは、「一生取り返しのつかないような大きな失敗」だけは、何がなんでも止めるということです。
つまり、「子供にやりたいことをやらせる」の本質は、「失敗すると分かっていても、子供の意思を尊重して、あえて失敗させる」ということなのです。
小さな失敗を繰り返すことで、人は強くなります。そして、次に失敗する確率を下げることができます。
失敗確率を下げるということは、成功確率を上げることでもあります。
失敗することは合理的ではないように見えて、長期的に見れば、非常に合理的だといえます。
反対に、子供の失敗を恐れて、行動を制限させたり、自分の理想に洗脳したりすると、将来的に大きな失敗をします。
「何をもって失敗なのか。」は人それぞれですが、人の指示でしか行動できないというのは、大きな失敗だと思います。
一般的には「使えない人」という部類に入れられてしまいますし、騙されるリスクもとても高いです。
なので、子供が将来的に大きな失敗をしないためにも、子供の意思を尊重してあげましょう。
親が依存すると子供も依存します。
親が子供に依存をすると、子供は自立することができません。
なぜなら、親が子供に期待すると、子供は親の期待に応えるという1つの道しか進めないからです。
小さい頃から進むべきレールが敷かれていると、子供はそのレールが正しいと思い込み、他のレールに移ることに強い罪悪感や、恐怖を感じてしまいます。
その結果、親に言われたレールに落ち着いてしまい、親のレールから離れられなくなります。
「離れられない=依存すること」
「親の敷いたレールが絶対に正しい」思い込み過ぎると、「他にもレールが存在する」ということにすら気づけません。
これは、とても恐ろしいことです。
自分の行動を正しいと思い込み、自分以外のレールを走っている人を批判してしまいます。しかし、客観的に見ると「自分のレールの方が間違っている」というケースはよくあることです。
親の価値観が正しいとは限りません。
基本的に「過干渉する親の言うことは正しくない」と思っておいた方が良いです。
過干渉する親は
- 「これが正しい」
- 「これをしろ」
- 「これをしなさい」
- 「こうするべきだ」
- 「これをしてはいけない」
- 「これをするな」
と、自分が正しいと思うことに向けて、子供を操作していきます。
大企業が安泰だと言われていた昔と比べて、今では大企業でも大量にリストラをしています。
一つの企業で一生働き続けられる昔と比べて、会社側は一生雇い続けられる余裕がないのです。
テクノロジーが進化し続ければ、同時に衰退していく産業が増えることでもあります。
- 紙からITへ
- ITからSNSへ
- SNSからVRへ
時代の変化が激しい中で、過去の価値観を正解だと思い込んで行動することは命取りになります。
自分で情報を掴みにいき、自分の頭で考え、仮説を立てて行動する。その結果を自分で分析して、また情報を掴みにいく。これを全て、自分だけで完結させられる人のことを指します。
親に依存していたら、出来るはずがありません。
「親が子供に依存する」ということは、子供が大人になって、生き残ることができないように育てる行為と同じです。
繰り返しになりますが、親が子供に依存をすると、子供は親に依存します。
※これを「共依存」と言います。
まとめ
以上、今回は「過干渉」について解説しました。
✔︎まとめ
- 過干渉とは、子供の意思を無視して操り人形にすることを言います。
- 過干渉の原因は、親が子供に依存することです。
- 子供が理想と反する方向に進むと、感情的になりやすいです。
- 過干渉が行き過ぎると、虐待する可能性があります。
- 願望は過干渉の入り口です。関心を持っていても、関与しすぎないことが大切です。
- 相手に依存する行為は、同時に相手に依存させる行為になります。これを「共依存関係」といいます。
- 「子供のやりたいことをやらせない」のではなく、「自分のさせたい事をさせない」ことが大切です。
- 「失敗させたくない」「これが正しい」を捨てて、「あえて失敗させる」「自分は正しくないかもしれない」という考え方に変える必要があります。
過干渉されていた事に気づけた方は、かなり運が良いです。
なぜなら、「過干渉」をすると、洗脳と同じで、気づけないことの方が多いからです。
私自身、父親によって価値観が大きく歪んでいました。
そこに気がつくことができたからこそ、対処することができました。
もし、自分の親が、「過干渉する毒親」だと気づくことができたのであれば、あとは対処するのみです。
適切な対処をするために、まずは毒親の種類や特徴について詳しく知ることから始めてみましょう。
関連記事の方でも、「毒父」について、「毒母」についての記事を掲載しています。
気になる方は、是非記事をご覧ください。
「毒親の対処って、何をすれば良いのかサッパリわからない。。」
そんな方は、こちらの記事をご覧ください。毒親の対処法について幅広く解説しています。
関連記事
毒父について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
毒母について知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
毒親という用語を知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「勉強しろ」を言われたくない方は、こちらの記事をご覧ください。
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